産業医・精神科医・労働衛生コンサルタント
堤 多可弘

2020年は新型コロナウイルスの影響によって、テレワークが急速に広まりました。

当初、不慣れなツールや通信環境の未整備などで苦労がありましたが、徐々にこういった問題も解決されてきたように思います。

 一方で産業医として生の声を聞いているとやはり、「コミュニケーションがとりずらい」「雑談などがなくなりストレスが溜まる」「気軽に相談ができない」などの課題は未だにあるようです。

そこで本稿では、いろいろな企業で実践されているテレワーク下のコミュニケーションの工夫を紹介していきます。

 

 1. チャットの雑談部屋
まずはとても簡単に取り組めるものからです。多くの企業様ですでにチャットツールは導入されていることかと思います。そのチャットツールの中に、どんなことでも話していい「雑談部屋」を作ると発言のハードルがぐっと下がりコミュニケーションが活性化します。


2. Web会議15分前オープン
Web会議などを行う際に、あらかじめ早めの時間からオープンしておいて好きなことを話していい時間としておきます。これも簡単に取り組めるのでやってみてください。


3. 雑相タイム
Web会議15分前オープンに似た方法ですが、こちらは会議とは別個にWeb会議ツールを立ち上げてその時間内に誰でも発言できるようにする工夫です。この方法だと会議に参加しない人とのやりとりが可能になります。


4. 部署内全員1on1
この方法は特に新入社員や中途入社の方とのコミュニケーションに有効です。通常の1on1は上司と部下などですが、この方法は文字通り、部署内の全員が総当たりで1on1をしていきます。新入社員や中途入社の方は部署のメンバーのことさえよく知らない状態から業務に入るので、個別にコミュニケーションをとり、お互いのことを知ることで安心感や働きやすさを向上させます。

 
5. 日替わりマイベスト3
こちらも導入することでお互いを知ることができる工夫です。

テーマを決めて日替わりで、自分の好きな○○のベスト3を発表する工夫です。

例えば今週は映画、来週は漫画など、テーマを決めて順番に発表していきます。発表時に理由も付け加えると、さらに盛り上がるでしょう。チーム人数によっては11人でも数名でもよいですし、オンライン朝会でやったり、チャット上でやったりすることができるので自社に合ったやり方で取り入れてください。

特にチャットでは、毎日1人発表して他のメンバーがコメントをする形式をとると一体感が出ます。この工夫のいい点は、共通の話題を発見できたり、その人の好みや考え方がわかったりすることで心理的安全性がはぐくまれる点と、発表→コメントという流れを経て「承認」が得られる点にあります。

 
6. 共通言語の整備
テレワークで意外とつまづくのが「用語の不一致」です。普段何気なく使っている言葉でも、人によって意味合いが変わっているものです。リアルでのやりとりであれば、コミュニケーションの機会も多く、非言語的なコミュニケーションもあるため、不一致があったとしても自然に解消されますが、オンラインでは意識しないと解消されません。

よく使う用語や重要な言葉などはぜひ一度、関係者全員でしっかりと意味・使い方の確認をしましょう。

 

いかがでしたか?比較的簡単にとりくめるコミュニケーションの工夫をいくつか紹介してみました。

コミュニケーションは、仕事を円滑で進めるうえで欠かせないものです。ぜひコミュニケーションを活性化させていきましょう。

 

■堤 多可弘 【略歴】
産業医・労働衛生コンサルタント、精神科専門医

 

⇒コミュニケーション課題に「インセンティブ・プラス」