産業医 下方 征

 先日、健康管理室に社員さんが、しゃっくりが昨夜から止まらず一睡もできていないと、とても辛そうな様子で来訪されました。

そこで、しゃっくりを止めるある技を伝えたところ、その場でしゃっくりはピタリと止まり、大変喜んで部署にもどっていかれました。

どんな方法でしゃっくりを止めたかというと、自分の舌をハンカチの上から両手で掴み、前方に30秒間強くひっぱるというものです。

これは、10年ほど前に耳鼻科の同僚のドクターに教えてもらった方法で、かなり効果的です。

 

 入院していた女性の患者さんが、しゃっくりがまったく止まらず眠れないとのことで、主治医だった私が病室に呼ばれました。

しゃっくりをなんとか止めようと、水を飲んでもらったり、息を止めてもらったりと様々試してみましたが止まりません。

これはどうしたら良いかと思っていたところ、耳鼻科の同期のドクターが通りかかったので相談してみると、その患者さんの舌を指で掴んで、「ちょっと痛いですよ」と言ってグーっと引っ張りました

患者さんはびっくりされていましたが、しばらくするとしゃっくりが止まり、さらにびっくりされていました。

 

 この方法は医学的にも説明のつく方法で、舌をひっぱることにより、舌咽神経を刺激して、しゃっくりの原因となっている横隔膜の動きを正常化させるという原理です。

 

 私はアルコールを飲むと、かなりの頻度でしゃっくりが出現し止まらなくなります。

その度に、水を飲んだり息を止めたり様々な方法を試しているのですが、この舌を引っ張る方法が一番効果的に感じます。8割方はこの方法で止まる印象です。

 

他にも、舌咽神経を刺激する方法として、

・氷を口に入れて上顎に舌で押し付ける
・耳の穴に指を入れて強く押す

などの方法もあります。

 

 たかがしゃっくりですが、止まらないしゃっくりは働く人のパフォーマンスを著しく低下させます。

止まらないしゃっくりに、ぜひ試してみてください。