日本を代表する電機大手の東芝は2005年にカフェテリアプランを導入。グループ会社とシステム連携し、ポイント処理ではシェアード会社をフルに有効活用した制度構築を行なった。
日本を代表する電機大手の株式会社東芝は2004年、カフェテリア制度構築の社内検討を開始した。導入の原資を確保するため社内各制度の統廃合が検討され、労使交渉を経て、2005年3月には制度導入へ向けた基本的な枠組みが社内決定された。
翌4月。導入構築のアウトソーシング委託先検討が開始され、業界の主要5社がコンペに参加した。運用開始のターゲットは10月。半年間で詳細な制度構築を行い、各種システムを整備して運用を開始するケイパビリティが求められた。
イーウェルは、コンペに先立つこと2年前から営業コンタクトを行い基本ニーズのヒアリングなどを行ってきたが、コンペに際して再度求められる要件を綿密に再定義。クライアントが希望する分野のメニューを充実させるために重点ジャンルの提携先を拡大すること、各地域拠点・事業所のニーズに対応するために重点地域では特に提携先を充実させること、数ヶ月という限られた時間で確実に制度運用を開始するため詳細な行程をあらかじめ設計すること、などを主体とした提案を行い、その実現性が高く評価されて、本プロジェクトの受注が決定した。
構築準備期間が短いことに加えて、このプロジェクトにはもう一つの特徴があった。それはグループ内シェアード会社の活用である。
東芝には、グループ従業員総勢約4万人向けに福利厚生や各種サービスを行うグループ内シェアード会社があり、カフェテリアプランの導入に際してはそれらシェアード会社の業務フローを効率的に構築することが求められたのだ。
たとえば、宿泊メニューに関しては、グループ内の旅行宿泊を取りまとめている「東芝ツーリスト」、ライフサポート系のメニュー全般に関しては、社内販売や住宅の斡旋などを取りまとめている「東芝ビジネス&ライフサービス」、自己開発系のメニューに関しては、グループ従業員の通信教育を行う「東芝人材開発」、保険に関しては「東芝保険サービス」といった各社と連携する必要があった。

これらのグループシェアード会社は、各社により事業フローや環境が異なるため、連携の仕方もそれぞれカスタマイズが必要となる。イーウェルでは、各社ごとにひとつひとつ詳細な連携フローとシステムを設計していった。
たとえば、東芝ビジネス&ライフサービス(TBLS)の場合は、ポイント管理のシステムを連携させ、利用者がTBLSのウェブサイトで申し込みを行う際にイーウェルのポイント管理システムに自動的につながり、各自が利用できるポイントが表示されて申請できるようになっている。利用者はイーウェルが提供するカフェテリアポイントの管理画面にアクセスしなくても、TBLSのサイト内でポイントの申請処理まで終えることができる。
逆に東芝ツーリストの場合は、オペレーターが処理を行うのでシステムの自動連携は行わず、イーウェルのポイント管理システムを提供し、その場でオペレーターがポイントの参照や申請処理を行えるような体制とした。
また東芝保険サービスの場合は、1年分の保険料を一括申請するため、申請時期になるとイーウェルが提供しているカフェテリアメニューの画面に各自の保険料が表示され、その場でポイント申請ができるようになっている。

このようにイーウェルでは、各シェアード会社ごとに、システム連携を行ったり、逆にシステムを貸し出したり、あるいはイーウェルのシステムに組み込んだり、という細かいカスタマイズを行って選択型福祉制度「Teatime」を構築していった。
そして、そのポイントは二つ。利用者である従業員がシームレスにストレス無く使えること、そしてグループ全体としてコスト削減につながりパフォーマンスがあがることである。
シェアード会社ごとに手続きが大きく異なると、従業員にとって不便な制度となり、福利厚生の利用が進まなくなってしまう。また、グループ各社間のさまざまな事務処理や情報伝達などの業務が大量に発生し、結果としてコスト増大となりかねない。
イーウェルでは、このことを念頭に利用者にとっても提供者にとっても、今までよりもずっとよくなる完成度の高い制度構築を目指したのである。
4月のパートナー選定から、10月の導入まで期間は半年。6月から着手した制度構築を3ヶ月間の集中スケジュールで実施し、東芝のカフェテリアプランは当初予定通り2005年10月に無事運用を開始した。システム連携を含めて大規模な事業会社向けの制度構築としては、おそらくイーウェル内でも最短期間での構築であった。
そして、細かい点までカスタマイズされたシステムは利用者にもグループシェアード会社にも使い勝手が高く評価され、運用は当初から順調な滑り出しを見せた。
カスタマイズされたシェアード会社活用スキームの他にも、メニュー開発や制度浸透のための各種アクティビティも高く評価された。
事業所向けに制度浸透のための従業員向け説明会を開催。姫路、四日市、府中・・・。イーウェルのコンサルタントは、各所を訪問し、制度の説明会を行い、同時にその地域での重点分野の提携先開拓も行った。
育児、教育、介護など、地域に密着したサービスでなければ利用利便性が低下してしまうメニューも数多い。事業所周辺の提携先を充実させることは、制度運用の成功の重要な要因の一つだ。工場や支店を含め、実に全国20拠点。わずか2ヶ月の間にこれらの拠点を周り、制度説明会や提携先開拓が重点的に行われた。
こうした努力も実り、従業員からの評判も良く利用も順調に伸びていった。
東芝本体を始めグループ各社と供に作り上げた「Teatime」制度コンサルやシステム構築などの個別対応力は高い評価を頂くことができた。









